• Tomomi Oda

2018年11月1日

最終更新: 2018年11月2日

秘密基地を得たようで楽しい。正確には全然秘密ではなくて思い切り公開しているわけだけど。Twitterだと文字制限があるし(Facebookはとうの昔にやめてしまった。色々あってね)、140字に押し込める楽しさも快感もあるのだけど、何しろSNSというのは反応が早すぎて、反応を得られる快感に思考が傾いてしまいがちだし、それに比べて、ここは誰にもいいねも押されず拡散もされない覗き見感覚が素晴らしいしなんか懐かしいね。SNSが海なら、ここは湖みたい。なんでもない湖へようこそ。


この前カフェにいたら、隣のカップルの男性がiPhoneいじりながら「やっべぇ、いいねが止まんねぇわ!」と興奮気味に女性に話しかけ、女性はとても冷ややかに、どちらかと言えば軽蔑してるくらいの感じで「そんなことよりさ…」って、両方分かるよ、分かっちゃうよ。SNSって嬉しいし馬鹿みたい(もちろんたまには嬉しくないこともあるけど)。


嬉しいし馬鹿みたいと言えば、自分のウェブサイトのデザインを久しぶりに一新したんだけど、何故一新したかというと、今までのデザインが馬鹿みたいだったからで、何で馬鹿みたいかと言えば、自分のアー写を貼りすぎてたから。すごい貼りすぎてた。写真は最近よくお世話になってるKana Tarumiちゃんに撮ってもらったもので、とても素晴らしい。写真は全然馬鹿みたいじゃない。でも、わたしその時はじめて本格的なフォトセッションみたいなことしてアー写撮ってもらってテンション上がっていて、こんな素敵に撮ってもらって嬉しい!と思って、あらゆる写真をウェブサイトの各ページに貼りまくってて(いまもPHOTOページにはまとめて置いてあるのでよかったら。かなちゃんの写真とても素敵です)。そのうち、ずぼらな私はウェブサイト更新を怠り、半年以上に渡って放置してたんだけど、久しぶりに開いてみたら。すごい!馬鹿みたい!自分の写真!貼りまくっちゃって!ひとって嬉しいと簡単に馬鹿になるんだな…と感心してしまった。


でも、不思議なもので、10年前だったら恥ずかしくて押しつぶされそうになっていた過去の自分の馬鹿な部分をいまは少し可愛いと思える。思える…と書いてみて、本当に思えるのか疑問に思って、試してみたくて、ある世代の人々に黒歴史披露罰ゲームとして利用されていたりするらしい黒歴史博物館ことmixiを100万年ぶりに開いてみたくなってアクセスしてみた。ら、なんとログイン出来なくなってた。そういえば、随分前に「あなたのmixi乗っ取られてるよ!」と知人から連絡が来ていたことを思い出した。わたしの黒歴史を可愛がりたかったな。残念。



***



たくさん生きると大切なひとの誕生日が増えていくけど、今日はずっと前に亡くなったおじいちゃんの誕生日。私が中学生の時、おじいちゃんは癌で亡くなった。私は厳しいおじいちゃんを恐れていて(中学校に小さな髪飾りをつけて行っただけで叱られたものだ)、打ち解けたり深い話をしたりすることは出来なかったし、おじいちゃんの嬉しくて馬鹿みたいなところを私は知らない。おじいちゃんが癌になって、彼は来年の桜は見られないんだと知った時、私はすごく悲しくて泣いたけど、おじいちゃんが泣いたのかどうか知らない。


いよいよ死が近づいて来た時、おじいちゃんは苺が食べたいと言った。秋で、まだ苺がスーパーや八百屋に並んでいなかったから、母と私はケーキ屋さんに苺を分けてもらいに行った。その時のことはよく覚えていて、ケーキ屋さんの顔がとても優しかった。でも、おじいちゃんが苺を食べている時のことは、立ち会っていなかったのかもしれないけど、何故か私は覚えていない。おじいちゃん、嬉しくて馬鹿みたいに笑ったかな。あまり笑わない人だったから、笑わなかったかもしれないけど、きっと静かにかわいかっただろうな。


若い人間たちの嬉しくて馬鹿みたいはかわいい、とてもかわいい。でも、歳をとった人間の嬉しくて馬鹿みたいは、もっとかわいい。純粋、という言葉は無垢な子供とかに使われることが多いみたいだけど、私は、ほんとうの純粋は老境というか歳を重ねたものの中にあるものだと思う。たくさん生きて、たくさん汚れて、たくさん余計なものを身につけて。そのなかに残ったひとすじの美しさを純粋と呼びたい。



***



久しぶりの日記で(それこそ本格的に書くのはmixiぶりかもしれない)取り留めもなく書いてしまい、内容も文体もこれでいいのかと探り探りだけど、とにかくたくさん嬉しくて馬鹿みたいなおばあちゃんになりたいし、なってやろうじゃないの。という決意とともに今日の湖はおしまい。私の知らないおじいちゃんの嬉しくて馬鹿みたい、そしてこれから出逢うひとたちの嬉しくて馬鹿みたいを想像しながら眠ります。



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© Tomomi Oda/photo by Kana Tarumi